しがないバスの運転手で毎日詩を書き留めることが趣味のパターソンの一週間を描いた作品だ。
バスジャックが起こるわけでも激しいアクションがあるわけでもない。

しかし、毎日同じようで違う。何にもない日もあれば、ちょっとした事件もある。

舞台はニュージャージー州のパターソン。
と聞くと中々イメージしづらいが、ニューヨーク州のすぐ南にあるところだ。
早くから工業化が進んで移民が多く住んでいる。しかし、工場の海外移転や郊外のショッピングモールで空洞化の進んだ貧しく寂れた街だ。

バス運転手のパターソンも金銭面では豊かとはいえない。
しかし、愛する妻がいて、愛犬がいて、散歩途中の行きつけのバーでの一杯、あとは詩とマッチと滝があれば充実した生活なのだ。

エンタメ度は低いので人を選ぶ作品だが、好きな人にはこの静寂で温かい作品を愛おしく感じるだろう。
創作する人や、淡々とした日常が好きな人にはおすすめできる。

妙に気取った感じもなく、説教臭くもなく、内省的でもなく、排他的でないところがいい。


以降は若干ネタバレ


続きを読む