映画

映画「Song of the sea」

今年はアニメ映画は豊作揃いで、「この世界の片隅に」と並ぶ傑作です。
今年と言うくくりすらいらないかもしれない。
多くの人に観てもらいたいです。

予告で美しいアニメーションと音楽に惹かれました。


ソング・オブ・ザ・シー 海のうた 公式サイト

あらすじ

母からたくさん歌やお話を聞いて育った兄ベンは、妹シアーシャの誕生を機に海へ姿を消した母を妹のせいだと思っていじわるをしてしまいます。言葉の話せないシアーシャ6歳の誕生日に光に導かれるまま妖精のコートを見つけ、海へ入っていきました。母のようにどこか消えて行ってしまうと思った父はコートを海に捨て、兄妹二人は嫌々おばあさんのいる都会に引っ越すことに。

ハロウィンの日、我が家に帰りたくて飛び出した兄妹は妖精と出会い、母から聞いた伝承と忘れ形見の貝笛を頼りに兄妹の冒険が始まります。

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映画『レッドタートル』 自然の中の感覚

 
予告を見てその美しさと雰囲気にこれは観ておかねば、と思った。
ガラガラの劇場でゆったり静かに鑑賞するのはこの上ない贅沢であった。

セリフのないこの映画に文字で感想を書くのも野暮にも思える。
が、書かないことには気がすまない。

ただ風の音が聞こえる。嵐の音だ。

どこの国の人でどの時代さえもよく分からない男が無人島に流れ着く。
平面の島ではない。少なくともサンゴ礁でできた島ではない。
高さや岸壁があるから、火山島が隆起して沈下したのだろうか。
竹林がある。温暖なのだろう。
飲水があり、食糧には困らなそうだ。

徐々に色彩を失う夕日、夜の描写が美しい。
目が簡略化された顔からは表情は読み取りにくい。
顔がアップで描写することも少ないので表現は体の動きから伝わる。
動きがところどころコミカルなカニが面白い。


以降ネタバレ

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レヴェナント 恩讐の彼方にあるのは…

まずPV見て、自然光の美しさに惹かれた。撮影監督がエマニュエル・ルベツキと聞いて納得。



同じルベツキの『ゼロ・グラビティ』は以下のシーンや最後のシーンもとても良かった。

『バードマン』の長回しも舞台のようでとても良かった。

そして、レヴェナントはほぼ自然光による撮影長回しも健在でさらに磨きのかかった映像美にとにかく引き込まれた。特に冒頭のシーンは圧巻だった。


その映像美による外部の過酷で美しい自然と幻想的な内部の心情とあいまいに混じりあうマジックリアリズム的なイニャリトゥの作風がマッチして高い完成度を誇っていた。丁寧にじっくり作ってある。
ディカプリオとトム・ハーディの骨太な演技も見どころ。

映像だけでも傑作レベルなので映画館で観てほしい。
家の小さい画面だと魅力が半減する映画、迷ってるならぜひ。


坂本龍一の音楽は挑戦的で意図は分かるし悪くはないけど、ちょっと耳障りな時があって没入感を削ぐ時があったのでそこが少し残念。も少しアンビエント寄りのほうが好み。


※以降は完全なネタバレなのでぜひ映画を観てからご覧ください。
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ズートピア - 誰しも間違う ※完全ネタバレ

ズートピアは近年のディズニー/ピクサーの映画の中でもパーフェクトな出来で、もちろん私はこれが一番好きだ。

監督3人、脚本家7人という力の入った態勢で、ストーリーは間違いなく現実の社会問題と社会心理学に基づいた高度なものなのに関わらず、笑顔で帰っていけるようなディズニー的なエンターテイメントの魅力もきちんと両立している。
ディズニーが「単に夢物語ばかり作ってるわけではない、ファミリー向けだからって生ぬるくて安っぽい主張は出さない」という気概に圧倒された。


深いとかで喧伝されている人種差別的なテーマと捉えてしまうと日本人にはなじみが薄かったり、なんとなく避けたい気持ちを持ってしまうとちょっともったいないなと思った。
差別はテーマの一つではあるんだけども、分解すればもっと広く適用できる話だ。

これ以降の文は映画を見た人に向けて自分の感じたことを書くので、ぜひ映画は見に行ってください。
面白いですよ。



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マッドマックス 怒りのデスロード

何が面白いのかはよく語られているので論評よりもメモです。

『マッドマックス』はなぜあんなにもヒャッハーできるのか

ケアと癒やしの壮絶ノンストップアクション~『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(ネタバレあり)

マッドマックス 怒りのデスロード:一度でも精神を患ったことがあるなら、もう一度見るべき映画

行って帰るだけのだけの単純なストーリーに散りばめられた神話モチーフとか、現時代をちゃんと踏まえてるとか、丁寧な演出(フュリオサの弔いポーズがうろ覚えとか)だとか。
それでいて、ぶっ飛んだバカっぽさ全快な世界観と引っかかりのないほぼノンストップ怒号アクションで細かいことは抜きで楽しめる。
マッドマックス、キメてきたってよくツイッターでは言われるけど、そう言いたくなる爽快感…

だけども、ほんとうにリアルヒャッハーな人は意外とヒャッハーできない気もする。
二回目観に行ったあとに真後ろのチャラ男二人組の片方が「全然分からなかった…」ときょとんとした顔をしていた。
飲みの席でウィー!って言いながら現代のイモータンジョーなきウォーボーイズさながらの風貌(偏見)なのに…

セリフが少なく、状況説明シーンも映画見慣れてなければかなりのハイコンテクストだろう。
そのうえテンポが異常に速いので脳内で追いつかなくてもしょうがない。


メイキングは圧巻だ。CG部分が少なく爆発は本物、相当に危険なシーンもスタントがやっている。


CGかじってる手前、CGには温かみがないとか言われると、全部職人の手作業、手付けじゃボケー!と不満言いたくなることもあるが、現実の凄みにはやっぱり敵わない気もする。

これは極限での人間の身体性の凄さをまざまざと感じる。画面越しでその凄みを感じさせるにはここまでやらないと伝わらないのだろう。





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