ゲームデザイン

クッキークリッカーという近未来ゲーム

2013年9月に一大ブームを巻き起こしたクッキークリッカー。

名前のとおり、クッキーをクリックしてただひたすらクッキーを量産する極めてシンプルなゲームだ。
ただクリックするだけなら大変で面白くない。右側のカーソルやおばあちゃんのような設備を追加すると、自動でクッキーを作ってくれるようになる。

cookie

設備の設置やアップグレードで毎秒いくつのクッキーが自動生産できるかの指標CpS(Cookie per Seconds)がグンと増える快感。畑からクッキーが取れることや、アップグレードでコスプレが変わるおばあちゃんたち、ぶっ飛んでいるフレーバーテキスト、などユーモアたっぷりな世界も魅力的だ。

そのゲーム性を一言で言えばただ数値を上げるだけだ。

RPGで棒きれから鉄の剣に装備を変えたら、20→60ダメージになった。
経営シミュゲームで最初は300万の赤字だったが、今は3億円の黒字がでるようになった。
その快感だけを抽出したようなゲームだ。

ビデオゲームがゲームとして成立するのはインタラクティブ、ボタンを押したらその反応が返ってくることだ。ボタンを押して移動したり、攻撃したり、会話したり。

では大半が自動であるこのゲームとは何なのだろう?

同時期の流行って今(2016年)も人気のある「艦これ」も移動は自動、戦闘も自動だ。
ハースストーンも従来のカードゲーム(MTG)のカードのコストを払うマナを生み出す土地を廃して、マナは自動で毎ターン蓄積するようになっている。これのおかげで「土地事故」という運悪く土地が引けなくて勝てないパターンはなくなり、ゲームもよりスピーディでより分かりやすいものとなった。これも自動化と言える。
自動化によって煩わしさを省くことで他のゲーム要素に集中させることができる。


クッキークリッカーははじめから自動ではない
まず最初に必ずクッキーをクリックしなくてはならない。

最初の自動化のカーソルまで15回なので、最低15回はクリックする必要がある。
これでcpsは0.1、1秒に0.1個、10秒に一個のペースで作れるようになる。
これだとまだ遅すぎるので、せめて自動化の生産量>自分のクリック生産量までは持っていきたい。
10cps超えた辺りで大体自分のクリックより速くて追いつけないぐらいになるのでほぼ自動化できる。
大体5分以上はかかる。
15cookies


自動化後の操作量は一気に減るが、軌道に乗るので、施設を追加したり、アップグレードしたりを随時操作しなければならない。
このたまに操作する頻度はゲームが進むほど減っていく

一つ上のランクの施設を作る場合はやや間が空くので放置で構わないが、5分~15分たびに出るゴールデンクッキーはものによってはブースト量がすさまじく、張り付いている方がずっと速くクッキーを作れるようになる。
常に見ててたまに操作>自動化放置なのだ。
LuckyCookie


すべての施設を解除したあとはほとんど操作する必要はない。
しかし、Legacyのボタンを押すと、クッキー総数分ブーストした状態から新たに一からスタートできる。強くてニューゲームだ。
これでまた徐々に操作量減らす快感を得つつ、しかも初回よりも効率がいい快感も得られる。


最初は操作が必要→徐々に操作量が減る→操作量が減りすぎて飽きる→強くてニューゲームで操作量を適度に戻す
のサイクルがあるので無尽蔵に遊べる。

Archivements(実績)もあるのでコレクションの要素もある。必ずしもゲームには必要な要素ではないが、面白くする要素の一つだ。コレクションだけでなく、実績分クッキー生産量が増えるアップグレードがあるのでちゃんと役に立つ。

achieve


時代の潮流の先端
昨今のゲームの自動化、簡略化の流れは物理的に画面の小ささやボタンの少なさスマホゲームの登場でさらに加速しつつある。ブラウザのゲームにせよ、据え置きのゲームにせよ、その流れには中々抗えない。

この自動化と簡略化をゲームに必要な要素を残しつつ突き詰めたのがクッキークリッカーだ。
つまりこれは時代を先取りしたゲームなのだ。ブームから3年経ったが少しも古びていない。

リソースの増加を主な目的とするゲームを削ぎ落としていくと結局のところクッキークリッカーの壁に当たる気がしてならない。

Factorioという資源集めの自動化のために自動化するようなゲームで、効率よく配置するとか試行錯誤が面白いのだけど、その部分まで自動化するとクッキークリッカーの面白さに似ているなと思う。

クッキークリッカーを遊ぶとどこまで自動化していいのか、逆に数値上昇だけでない面白や、あえて不便な面白さというものも見えてくるような気がして興味が尽きない。
久々に遊んでまたハマってしまった。


面白さの大まかな要素
  • インタラクション → 操作する楽しさ
  • リソースの増加 → 増やす楽しさ
  • コレクション → 集める楽しさ
構成要素
  • 最初に操作が必要
  • 操作量はゲームが進むと減る 
  • 貯めたリソースをさらにリソースを増やす投資ができる
  • 強くてニューゲーム 
  • アチーブメントを集める

シャドウオブモルドールのゲームデザイン

不要な要素を切り詰めた尖ったゲームデザイン
発売前から気になってはいたけど中々時間がなくて今更プレイ。想像以上に面白くてハマった。

シャドウオブモルドール(Shadow of mordor)はロードオブザリング(LotR)の外伝ゲームだ。

目指すべきゲーム体験がLotRの文脈を守りつつ、復讐の鬼と化して「オークをめった殺し」にすることのみ。
オークに善人なし。慈悲はない。

映画のLotRで圧倒多数のオーク軍に英雄たちが華麗に捌いていくのに心躍った人はハマると思う。
戦闘は剣戟、ステルス、射撃の三つ。
どれもよく出来ている。


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